数万円から十数万円クラスのオフィスチェアを選ぶなら、「どこで試座するか」を押さえておくことが欠かせません。
ハーマンミラーのアーロンチェアやエンボディ、オカムラのコンテッサやシルフィー、さらにコクヨ、イトーキ、エルゴヒューマン、Steelcaseといった各社の代表モデルは、カタログや口コミだけで選ぶには情報量が多すぎるプロダクトです。
幸い、東京にはこれらのブランドチェアを座り比べできる専門店やメーカー直営ストア、大型家具店、法人向けフィッティングスペースが集まっています。
一方で、「完全予約制」「法人限定」「展示モデル入れ替えあり」など、店舗ごとにルールや特徴が大きく異なるため、事前に情報を整理しておかないと、せっかく足を運んでも満足に試せないケースも出てきます。
この記事では、ハーマンミラーやオカムラをはじめとした人気ブランドを例に、東京でオフィスチェアを試座できる主な場所と、それぞれの使い分け方を体系的にまとめました。
どの店舗で何を試し、どこまでをプロに相談すべきかをイメージしながら読み進めていただくことで、自分に合った一脚に効率よく近づけるはずです。
この記事でわかること
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東京で多ブランドを一気に試せる専門店
最初に押さえておきたいのが、「複数ブランドを同じ場所で試せるかどうか」という視点です。
店舗ごとに回るより、一度の来店で候補を一気に絞り込めた方が、時間も体力も節約できます。
なお、ここで紹介するすべての店舗・ショールームについて、営業時間・予約の要否・展示モデルのラインナップは必ず来店前に公式サイトで最新情報を確認してください。営業形態が「完全予約制」「一部一般開放日あり」のように、時期によって変わるケースが少なくありません。
WORKAHOLIC(神田):15メーカー・60脚以上を比較できる専門店

画像出典:WORKAHOLIC Googlemap
WORKAHOLICは、東京・神田エリアに構えるオフィスチェア専門店です。国内外15ブランド・60脚前後のチェアを座り比べできるフロアに、チェアコンシェルジュが常駐しており、「デスクワークに最適な一脚を一緒に探す」というスタイルで接客を行っています。
特徴的なのは、単なる展示販売ではなく「コンサルティング型のショップ」であることです。
身長・体格・仕事の内容・在宅かオフィスかといった条件をヒアリングしたうえで、座面の高さやリクライニングテンション、ランバーサポートの位置などを細かく調整しながら、複数のチェアを比較していきます。椅子に詳しくない人でも、「何を基準に選べばいいのか分からない」という状態から抜け出しやすい環境が整っています。
なお、通常の接客は完全予約制・有料(1名3,300円・約2時間)となっており、高機能チェアの購入を検討している人向けの本格的なサービスという位置づけです。時折、予約不要で入店できる「一般開放日」が設定されることもありますが、開催日や内容は随時変わるため、必ず公式サイトのお知らせを確認するようにしてください。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店名 | WORKAHOLIC(ワーカホリック) |
| 所在地(エリア) | 東京都台東区浅草橋エリア(浅草橋駅から徒歩圏/神田川・左衛門橋近く) |
| アクセス | JR総武線・都営浅草線「浅草橋駅」から徒歩数分程度の立地と案内されることが多い(詳しいルートは公式サイトACCESSページ参照) |
| 予約方法 | 公式サイトの予約フォームから日時・人数・相談内容などを入力して事前予約 |
| 公式サイト | WORKAHOLIC公式サイト「iamworkaholic.jp」 |
WORKAHOLICで試せる代表的ブランド
WORKAHOLICの大きな魅力は、人気ブランドを横断して比較できることです。
チェアの展示状況は時期によって変わりますが、公式サイトでは「ITEMS IN SHOP」ページで現在の展示機を一覧できるようになっており、来店前にざっくりとラインナップを把握しておくとスムーズです。
代表的な取扱ブランドのイメージは、次のようなものです。
- ハーマンミラー(アーロンチェア、エンボディチェアなど)
- オカムラ(コンテッサ、バロン、シルフィーなど)
- イトーキ(バーテブラ03、スピーナチェアなど)
- コクヨ(ing、その他ワークチェア)
- エルゴヒューマン
- Steelcase(スチールケース)
- その他、国内外の高機能ワークチェアブランド など
同じ価格帯・同じクラスのチェアを横並びで比較できるため、たとえば「アーロンとコンテッサ、どちらが自分に合うのか」「国産メーカーと海外メーカーで感覚がどう違うのか」といった疑問を、実際の座り心地で確かめられます。
「口コミやレビューはたくさん読んだけれど、座ってみると印象が違った」ということも珍しくありません。
その意味でも、複数ブランドの実機がそろっている環境は、数万円〜十数万円クラスの椅子を検討するうえで非常に頼りになる場所です。
予約方法と訪問前にチェックすべきポイント
WORKAHOLICは、原則として完全予約制のショップです。
公式サイトから来店希望日時・相談内容を入力し、予約完了メールを受け取ってから来店する流れになります。直近の枠はすでに埋まっていることもあるため、週末や連休に利用したい場合は、余裕を持ってスケジュールを組んでおくと安心です。
訪問前にチェックしておきたいポイントは、次のとおりです。
事前に整理しておきたい自分側の情報
- 現在使っている椅子・デスクの高さ、おおよその経過年数
- 1日の着座時間(例:仕事で8時間、ゲームで2時間など)
- 気になっている体の症状(腰・肩・首・手首など)
- 予算のイメージ(本体価格+オプション)
これらを簡単にメモしておくだけでも、チェアコンシェルジュとの会話がスムーズになります。
公式サイトで確認したい情報
- 営業日のカレンダー(イベントや一般開放日が入ることもある)
- 接客料金・支払い方法
- 現在展示中のチェア一覧(ITEMS IN SHOP)
とくに展示モデルは入れ替わりがあるため、「どうしてもこのモデルに座りたい」という本命がある場合は、来店前に必ず展示の有無を確認しておきたいところです。
こんな人におすすめ
WORKAHOLICは、「一度でしっかり比較して、最短ルートで一脚を決めたい人」に向いたショップです。
- メーカーごとのショールームを何軒もハシゴする時間が取れない
- アーロン・コンテッサ・エルゴヒューマン・Steelcaseなど、複数の人気モデルを一気に比較したい
- オプションや張地バリエーションの違いまで含めて、プロと一緒に検討したい
こうしたニーズをまとめて満たせる場所なので、「椅子選びにあまり失敗したくない」「買う前に疑問を全部解消しておきたい」という人ほど、優先的に候補に入れておく価値があります。
一方で、「とりあえず雰囲気だけ見たい」「ふらっと立ち寄って少しだけ座ってみたい」というライトな見学には、完全予約制・有料というハードルの高さを感じるかもしれません。
その場合は、後述するIDC大塚家具や大型家具店での試座と組み合わせて、検討の深さと気軽さのバランスを取ると、全体として満足度の高い椅子選びにつながります。
メーカー直営ストア・ショールームで試座する方法
WORKAHOLICのようなセレクト型の専門店とは別に、「このメーカーのこの椅子が本命」という人には、メーカー直営ストアやショールームでじっくり試すルートもあります。メーカー側が想定している“ベストな座り方”や調整方法を、専門スタッフから直接聞けるのが大きな利点です。
ハーマンミラーストア(丸の内・青山):アーロン・エンボディの最適フィッティング

画像出典:ハーマンミラーストア
ハーマンミラーの代表的なワークチェアといえば、アーロンチェア・エンボディチェア・セイルチェア・コズムなど。
東京では、「ハーマンミラーストア 丸の内」と「ハーマンミラーストア 青山」の2店舗で、これらの椅子を中心としたパフォーマンスシーティングを体験できます。
両店舗とも、ホームオフィスやゲーミング用途を含めたパーソナルユースのワークチェア選びを強く意識した構成になっており、椅子だけでなくデスクや照明、収納なども含めてトータルに提案してくれます。
店舗の基本情報(所在地・営業時間・定休日など)は公式サイトに詳しく掲載されていますが、年末年始やイベント時は営業時間が変わることもあるため、来店前に最新情報を確認しておくと安心です。
| 店舗名 | ハーマンミラーストア 丸の内 | ハーマンミラーストア 青山 |
|---|---|---|
| 住所 | 〒100-0005 東京都千代田区丸の内2-1-1 MY PLAZA | 〒107-0062 東京都港区南青山5-13-1 |
| 電話番号 | 03-3201-1820 | 03-3486-2660 |
| アクセス | JR東京駅 丸の内南口/JR有楽町駅 国際フォーラム口、または地下鉄千代田線 二重橋前駅が最寄り | 東京メトロ 銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道駅」から徒歩 5〜7分程度 |
| 営業時間 | 月〜土 12:00〜20:00、日祝 11:00〜19:00 | 11:30〜20:00(ただし変動の可能性あり) |
ハーマンミラーの予約制フィッティングサービスの流れ
ハーマンミラーストアでは、ワークチェア購入を検討している人向けに、パーソナルフィッティングサービスを用意しています。
サービスの大まかな流れは、次のようなイメージです。
- 公式サイトの予約ページから、希望店舗(丸の内 or 青山)と日時を選んで予約
- 来店当日、エルゴノミックアドバイザーがヒアリング
- 作業内容・姿勢・体格などをもとに、複数モデルを比較しながら試座
- 自分に合ったチェアと設定(ポスチャーフィットや前傾チルトの使い方など)を決定
1回あたりの所要時間は約90分を想定しており、じっくり座り心地を確かめながら相談できます。
「同じアーロンでもサイズBとCでどれくらい違うのか」「ゲーミング用途でも違和感なく使えるか」といった細かい疑問を遠慮なくぶつけられるのも、このサービスならではの魅力です。
なお、フィッティングサービスの実施状況や予約枠の有無は時期によって変わるため、必ず公式サイトの専用ページで最新の案内を確認してから申し込むようにしてください。
オカムラの人気モデルを試せる場所(在宅ワーク取扱店含む)
オカムラの代表的なオフィスチェアとしては、コンテッサ セコンダ・バロン・シルフィー・フィノラなどが挙げられます。
これらを試せる場所として、大きく次の2パターンがあります。
1つ目は、**オカムラのガーデンコートショールーム(紀尾井町)**です。
こちらは法人向け色の強いショールームですが、コンテッサ セコンダをはじめとしたオフィス家具の実機を広いフロアで体験できる場になっています。ただし、2025年9月12日から全面的に一時閉館となっており、WEB予約の再開は2025年12月中の予定と案内されています(時期・内容は変わる可能性があるため、必ず公式サイトの最新告知を確認してください)。
2つ目は、**在宅ワーク用家具販売店として指定されている家具店(IDC大塚家具など)**です。
オカムラ公式サイトでは、在宅勤務向けチェア・デスクを体験できる販売店を一覧で紹介しており、東京エリアでは新宿や池袋など複数の店舗が掲載されています。そこでコンテッサやシルフィーの一部モデルを展示しているケースがあるため、個人利用であればこちらのルートが現実的な選択肢になる場面も多いはずです。
オカムラ製品を狙う場合は、
- ガーデンコートショールームで全体感をつかむ
- IDC大塚家具などの販売店で、自宅用構成や他ブランドとの比較をする
といった組み合わせで動くと、より納得感のある選び方ができるようになります。
コクヨ・イトーキのショールームは個人利用できる?
コクヨとイトーキにも、東京には複数のショールームや体験スペースがあります。ただし、法人向け・設計事務所向けを主対象とした施設が多く、個人のワークチェア検討で訪れる際には注意が必要です。
コクヨの場合
コクヨは、品川の「東京ショールーム」やライブオフィスなどを展開しており、オフィスチェアを含む多様な家具を体験できます。これらの施設は基本的に事前予約制で、法人顧客を中心に専門スタッフが案内する形式です。
一方、個人ユーザー向けには、品川のTHE CAMPUS 1階に「家具体験コーナー」があり、在宅勤務向けチェア・デスクを予約不要・無料で試せると案内されています。ingシリーズなどのワークチェアを体験できる場所として、ここは比較的ハードルが低い選択肢です。
イトーキの場合
イトーキは、法人向けの「CILK」などに加え、個人向けチェアショールーム「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」を京橋に展開しています。ここでは、バーテブラ03やスピーナチェアなど、在宅ワーカーにも人気のチェアを完全予約制で体験できると紹介されています。
| 開館時間 | 10時00分〜12時00分、13時00分〜17時00分(金曜日は19時30分まで) ※完全予約制 |
|---|---|
| 休館日 | 水・土・日・祝日、夏期休業日、年末年始 |
| 所在地 | 東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 3階 |
| アクセス | 東京メトロ銀座線 京橋駅 2番出口直通 徒歩1分 都営浅草線 宝町駅 A4出口 徒歩2分 東京メトロ有楽町線 銀座1丁目駅 A7出口 徒歩7分 東京メトロ丸の内線 東京駅 八重洲南口 徒歩10分 JR線 東京駅 八重洲南口 徒歩10分 |
営業時間や臨時営業(たとえば特定の土曜日のみ営業)・フリー見学の有無などは、坐サロンの案内ページで随時更新されています。最近は金曜日午後のフリー見学枠や、金曜夜の時間延長なども行われているため、最新の案内を確認してから訪問するとスムーズです。
コクヨ・イトーキともに、
- ショールーム=法人・事業者向けが基本
- 個人向けスペース(家具体験コーナー、坐サロン)も別途用意
という二段構えの運営になっているため、「個人の自宅用にチェアを検討しているが、見学して良いかどうか」は、必ず各公式サイトの注意書きで確認してから予定を立てるようにしましょう。
大型家具店でブランドチェアをまとめて試座する
メーカーごとのショールームは専門性が高い一方で、「一度に多くのブランドを見比べる」という点では、やや効率が落ちる場合もあります。
そこで役立つのが、IDC OTSUKA(大塚家具)をはじめとした大型家具店です。チェアだけでなく、デスクや収納、ソファまで含めて、「住まい全体の中でワークスペースがどう収まるか」をイメージしやすいのが強みです。
IDC OTSUKA 新宿/有明:ブランドチェアの展示が豊富な理由

画像出典:IDC OTSUKA
IDC OTSUKA 新宿ショールームは、新宿駅東南口から徒歩数分の大型店舗です。全9フロア構成で、世界260社以上の家具メーカーからセレクトしたアイテムを扱うと案内されており、その中に在宅ワーク向けのチェアやデスク、書棚などを集めたエリアも設けられています。
有明ショールームは、東京ビッグサイト近くのTFTビル内にある大型店で、広いフロアに国内外の家具・家電を組み合わせたコーディネートシーンを展示しているのが特徴です。営業時間はおおむね10:30〜18:30、年末年始を除き無休と案内されています(新宿は10:30〜20:00)。
これらのショールームでは、オカムラやハーマンミラーなどのブランドチェアをまとめて展示するフロアを設けていることが多く、「ブランド系チェアも一般的なオフィスチェアもまとめて見比べたい」というニーズに応えやすい構成になっています。
また、ヤマダデンキとの連携により、家電も同じ建物内でチェックできるため、在宅ワーク環境を丸ごと整えたい人にとっても使い勝手の良い場所です。
展示モデルの確認方法(事前チェックの重要性)
IDC大塚家具のような大型店はフロア面積が広く、展示入れ替えも頻繁に行われるため、「どのショールームにどのモデルがあるか」は来店前に確認しておく方が安全です。
確認の入り口としては、
- IDC大塚家具の公式サイトで、各ショールームのページをチェックする
- 在宅ワーク特集やオフィス家具特集のページから、取扱ブランドの有無を確認する
といった方法があります。とくにコンテッサやアーロンなど、特定モデルを狙っている場合は、店舗に直接問い合わせをしてしまう方が確実な場合もあります。
「実際に行ってみたら、本命モデルが展示されていなかった」というケースも起こり得るため、少し手間に感じても、事前の情報収集が満足度を大きく左右します。
デスク・収納とセットで試せる大型店のメリット
大型家具店を活用する最大の利点は、**「椅子だけでなく周辺の家具も同時に確認できる」**ことにあります。
- 実際に販売されているデスクと組み合わせて座れる
- 書棚やサイドワゴン、照明などとのバランスをその場でイメージできる
- 家族の椅子やダイニングチェアとの相性もイメージしやすい
といった点は、チェア単体を展示するショールームにはない体験です。
また、価格帯も幅広く、10万円を超えるハイエンドチェアから、もう少し控えめな予算のモデルまで並んでいるため、「最初は高額モデルだけを見るつもりだったが、最終的に中価格帯で十分と判断した」といった選び方ができるのも、大型店ならではの柔軟さです。
ワークチェアを単体のガジェットとしてではなく、「暮らし全体の中でどう位置づけるか」という視点で考えたいとき、大型家具店の環境はとても参考になります。
法人導入検討する人向け:Kagg.jp Fitting Storeでの試座

法人としてオフィスチェアを導入したい場合、個人向けの家具店とは別に、法人限定の試座スペースを用意しているサービスもあります。
その代表例が、東京・広尾にある「Kagg.jp Fitting Store」です。
法人限定スペースの特徴とメリット
Kagg.jp Fitting Storeは、国内最大級のオフィス家具通販サイト「Kagg.jp」が運営する、法人限定の試座スペースです。
広尾のビル内に最大約50種類のオフィスチェアを展示し、企業向けに座り比べできる環境を提供していると案内されています。
一般的な家具店との違いは、「法人でのまとめ導入を前提にした比較・相談がしやすい」点です。
- 部署ごとに適したチェア構成を考えたい
- 予算とスペックのバランスを相談したい
- オフィスレイアウトや導線も含めて家具構成を検討したい
といったニーズに対して、オフィス家具の専門知識を持つスタッフが対応してくれるため、「どのチェアを何脚入れるべきか」という視点で具体的な検討を進めやすくなります。
試座できるブランド例(エルゴヒューマン/Steelcaseなど)
Kagg.jp Fitting Storeで試せるブランドとしては、公式案内や各種紹介記事などで次のような名前が挙げられています。
- Ergohuman(エルゴヒューマン)
- オカムラ
- Herman Miller(ハーマンミラー)
- Steelcase(スチールケース)
- その他、人気オフィスチェアブランド多数
WORKAHOLICと同様、多ブランドを並べて比較できる点が特徴ですが、Kagg.jp Fitting Storeは法人限定であり、「会社導入前提で座り比べたいチーム向けのスペース」という性格が強いと考えるとイメージが掴みやすくなります。
「社員数十名〜数百名規模で導入する前に、実際の座り心地を確認しておきたい」「特定ブランドへの偏りなく比較したい」といったケースでは、非常に頼りになる施設です。
予約方法と注意点
Kagg.jp Fitting Storeの利用は事前予約制・法人限定です。
公式サイトの専用ページから、会社名や来場人数、検討内容などを入力して予約する流れが一般的です。
営業時間は平日10:00〜19:00、土日祝休みと紹介されることが多いですが、細かい時間帯や枠の空き状況は変動します。来場前には必ず公式の案内ページで当時の条件を確認してください。
また、個人名義での利用は対象外となっているため、「自宅用の椅子を試したいだけ」という場合は、WORKAHOLICやIDC大塚家具など、個人向けの店舗を選択した方がスムーズです。
試したいブランド別:東京でどこで試せるか早見表
ここまでの情報を踏まえて、「ブランド別に見たとき、東京ではどこで試しやすいか」を一覧にしておきます。
展示状況や取り扱い店舗は変わる可能性がありますが、全体の傾向をつかむうえでの目安として活用してください。
| 試したいブランド・モデル例 | 現実的な試座候補(東京エリア) |
|---|---|
| ハーマンミラー(アーロン、エンボディなど) | ハーマンミラーストア 丸の内/青山、WORKAHOLIC、IDC OTSUKA 新宿・有明 など |
| オカムラ(コンテッサ、シルフィー等) | WORKAHOLIC、IDC OTSUKA 各ショールーム、オカムラ在宅ワーク用家具販売店、Kagg.jp Fitting Store(法人向け) |
| エルゴヒューマン | WORKAHOLIC、Kagg.jp Fitting Store(法人向け) |
| Steelcase | WORKAHOLIC、Kagg.jp Fitting Store(法人向け) |
| コクヨ(ing など) | コクヨ家具体験コーナー(品川 THE CAMPUS 1F)、一部家具店の在宅ワークコーナー |
| イトーキ(バーテブラ03・スピーナなど) | イトーキ「ZA SALON TOKYO(坐サロン 東京)」、一部家具店のオフィスチェアコーナー |
| 国産メーカーを幅広く比較 | WORKAHOLIC、IDC OTSUKA 新宿・有明 など |
この表をざっと眺めてから、
「まずはどこで候補を絞るか(WORKAHOLIC or 大型家具店)」
「そのあと、本命メーカーの直営店で微調整するか」
という順番でルートを組み立てていくと、動き方が整理しやすくなります。
人気オフィスチェアの“最強モデル”を比較した記事はこちら

試座できる場所のイメージがついたら、次はどのモデルを候補に入れるべきかを整理しておくと選びやすくなります。
主要ブランドの代表作を横断的に比較した別記事も参考になるはずです。
アーロン、エンボディ、コンテッサ、シルフィー、エルゴヒューマンなど、人気モデルの強み・弱み・向いている作業スタイルを詳しく解説しています。
東京で「失敗しない試座」をするためのポイント
店舗の候補が見えてきたら、次は「どう座るか」が大事になってきます。
短時間で何脚も座りまくると、その場では気に入っても、実際に使い始めてから違和感に気づくことも少なくありません。
1脚につき20〜30分は座って比較する
多くの人がやりがちなのが、「数分だけ座って、クッションの柔らかさだけで判断してしまう」パターンです。
しかし、実際のデスクワークでは1〜2時間連続で座り続けることもあります。数分だけの印象と、30分座ったときの感覚は、驚くほど違ってくるものです。
可能であれば、1脚につき20〜30分ほど時間を取り、PC操作やスマホ操作を想定した姿勢で過ごしてみることをおすすめします。
- 最初は快適でも、10分・20分と経つうちに肩が詰まった感じがしないか
- 前傾作業や後傾リラックス姿勢に移るとき、動作がスムーズか
- 座面の前縁が太ももの裏を圧迫していないか
こうしたポイントは、短時間の試座では見落としがちです。
「今日は3〜4脚にじっくり座る」と決めて、チェア選びの日そのものをゆったりとしたスケジュールで組むと、結果的に満足度の高い一脚に出会いやすくなります。
自宅デスク環境をメモして持参する
試座のときに地味ながら効き目が大きいのが、自宅やオフィスのデスク環境をメモしておくことです。
たとえば、次のような情報があると、スタッフ側も提案しやすくなります。
- デスクの天板の高さ(床から何cmか)
- 使用しているPCの種類(ノートPCのみ/外部モニターあり/マルチディスプレイ)
- 仕事の内容(資料作成中心・プログラミング・動画編集・通話メインなど)
- 1日の着座時間の目安
- 腰痛・肩こり・首の張りなど、悩んでいる箇所
こうした情報をもとに、WORKAHOLICのチェアコンシェルジュや、ハーマンミラーのエルゴノミックアドバイザーといった専門家が、チェアのモデルとポジションを調整してくれます。
「なんとなく座りやすい」を「自分の環境と目的に合っている」に変えていくためにも、メモを用意してから店舗に向かうと、試座の質が大きく変わってきます。
予約の有無・撮影可否を事前に確認
WORKAHOLICやハーマンミラーストア、Kagg.jp Fitting Store、坐サロン東京などは、予約制・予約優先の運営が基本です。
当日いきなり訪ねても案内が受けられない、あるいは十分な時間を確保してもらえないケースもあるため、事前予約を前提に予定を立てた方が確実です。
加えて、ブログやSNSで椅子選びの過程を発信したい人は、写真撮影の可否も気になるところです。
店舗によっては、
- 店内撮影OKだが、他のお客さんやスタッフが映らないよう配慮が必要
- 撮影は自分が検討している商品・自分の手元だけに限定
- 法人向けスペースでは撮影NG
といったルールが設けられていることがあります。
撮影を前提にしている場合は、予約時の備考欄や当日の受付時に確認しておくと、現地で気まずい思いをせずに済みます。
価格は「本体+オプション」で比較する
オフィスチェアは、オプション構成によって価格が大きく変わるプロダクトです。
- ヘッドレストの有無(後付けも含む)
- アームレストの種類(固定/可動・4Dアームなど)
- ランバーサポートやポスチャーサポートの有無
- 張地(メッシュ/ファブリック/レザー)やフレーム色
などによって、同じモデル名でも数万円単位で差が付くことがあります。
ネットの最安値と店舗見積もりを比較するときも、**「仕様が同じかどうか」**を必ず確認するようにしてください。
できれば、気になった構成ごとに写真を撮りつつ、
- モデル名
- オプション構成
- 店頭価格(見積もり額)
をメモしておくと、後から冷静に比較しやすくなります。
店舗でじっくり試座して仕様を固め、その仕様に対してオンライン価格を調べる、という順番で進めると、性能とコストの両面で納得のいく落とし所を見つけやすくなります。
来店前に必ず確認すべき注意点
ここまで見てきたように、東京にはオフィスチェアを試せる場所が豊富にありますが、そのぶん**「ルールや運営形態が店舗ごとにかなり違う」**という現実もあります。
最後に、どの店舗を選ぶ場合でも共通して押さえておきたい注意点を整理しておきます。
営業時間・予約方法は必ず公式サイトで最新情報をチェック
最も大切なのは、必ず公式サイトで最新の営業情報を確認してから出かけることです。
- WORKAHOLICのように、通常は完全予約制だが特定日に一般開放日を設ける店舗
- オカムラ ガーデンコートショールームのように、一時閉館や予約受付休止期間がある施設
- 坐サロン東京のように、曜日限定でフリー見学枠や夜間枠を設定するショールーム
など、オフィスチェア関連の店舗は、イベントや設備の都合で運営形態が変わりやすい傾向があります。
また、年末年始や長期休暇の前後は、営業時間が短縮されたり特別営業になったりすることもあるため、カレンダーが混み合う時期ほど、事前チェックが欠かせません。
展示モデルは頻繁に入れ替わる(最新情報の調べ方)
オフィスチェアの展示は、新モデルの投入やメーカーとの契約変更などに応じて入れ替わるのが一般的です。
- WORKAHOLICの「ITEMS IN SHOP」ページ
- IDC大塚家具のショールーム紹介ページ
- コクヨ・イトーキ・ハーマンミラーなど各メーカーサイトの展示情報
といった公式の案内ページを見れば、ある程度は現在の展示ラインナップを把握できますが、すべてがリアルタイムに反映されているとは限りません。
どうしても「この椅子に座りたい」という本命モデルがある場合は、電話や問い合わせフォームで直接確認するのが最も確実です。
少し手間はかかりますが、そのひと手間が「せっかく行ったのに本命がなかった」というがっかり体験を防いでくれます。
ショールームは法人向け・予約制の可能性がある
とくにメーカー直営のショールームは、法人向け・設計事務所向けをメインに想定している施設が多いという点にも注意が必要です。
- オカムラ ガーデンコートショールームは、法人予約が前提の案内が中心
- コクヨの東京ショールームやライブオフィスも、ショールーム見学は事前予約制で、同業他社や学生の見学は制限があると明記
- イトーキのCILKなども、企業向けのワークプレイス提案を主目的としている
一方で、コクヨの家具体験コーナーや、イトーキの坐サロン東京のように、個人ユーザーを対象としたスペースも別途用意されているケースもあります。
「個人の自宅用として見学したい」と考えている場合は、
- そのショールームが個人見学OKか
- 見学予約フォームに、個人名義で申し込んで問題ないか
- 見学時に購入相談までできるか
といった点を、事前にサイトの注意書きで確認しておくと安心です。
まとめ:東京での試座は“比較できる環境”をどう選ぶかが重要
東京でオフィスチェアを試座する環境は、大きく分けると
- 多ブランドを横断して比較できる専門店(WORKAHOLICなど)
- メーカー直営ストア・ショールーム(ハーマンミラーストア、オカムラ、コクヨ、イトーキなど)
- 大型家具店(IDC OTSUKA 新宿・有明 など)
- 法人向けの比較スペース(Kagg.jp Fitting Storeなど)
という4つの軸で整理できます。
どこを起点に動くかで、椅子選びのスピードも満足度も大きく変わってきます。
まずは「いろいろなブランドを一気に比べて方向性を決める場所」を1〜2か所決め、そのうえで「本命メーカーの直営店やショールームで微調整する」といった流れを意識すると、自分に合った一脚に辿り着きやすくなります。
最後に、もう一度だけ大事な前提を添えておくと、
本記事の店舗情報・サービス内容は執筆時点の公式サイト・公表情報をもとにした内容であり、営業時間・予約方法・展示モデルなどは変更される場合があります。来店前には、必ず各公式サイトで最新情報を確認してください。


